ホライズン法律事務所 代表弁護士
東京弁護士会所属
更新日:2025.07.25
離婚時に取り決めた養育費も、その後の生活状況の変化により見直しが必要になることがあります。子どもの進学や病気、親の収入変化など、様々な事情により養育費の増額や減額を検討する場面は少なくありません。
実際、現在受け取っている養育費の額は家庭ごとに様々です。厚生労働省による令和3年度の統計によると、母親が受け取っている養育費の平均額は月額5万485円となっていますが、実際には各家庭の状況によって適正な金額は大きく異なります。離婚時に一度決めた養育費でも、予測できなかった重要な事情の変化があれば、金額の変更が認められる可能性があります。
本記事では、養育費の増額・減額が認められる条件から具体的な手続きの流れまで、これまでに1200件以上(2025年7月時点)の養育費回収実績のある弁護士が、どのような場合に変更が可能なのか、裁判所がどのような基準で判断するのかを状況別に整理し、実際の手続きを進める際の注意点もお伝えします。養育費の変更を検討している方や、相手から変更を求められている方の参考になれば幸いです。
一度取り決めた養育費について、後から増額や減額等の変更をすることは可能です。最も簡便な方法は、当事者間で合意をすることです。
当事者間で合意することができれば、増額、減額、支払時期、支払終期など、どのような内容であっても、自由に変更することができます。(基本的には子どもの権利を害さないように注意する必要はあります。)
一方で、当事者間で、増額や減額などについての合意ができない場合は、調停を申立て、合意を目指すことになります。また、この調停がまとまらない場合は審判へ移行します。
そこで、次からは、調停などにおいて、養育費の増額や減額が認められるための条件などについて、解説いたします。
※養育費の支払方法の変更(口座の変更や、口座名義の変更、振込期日の変更)などについては、当事者間で合意すれば足ります。基本的には、このような軽微な変更は、公正証書などにする必要もなく、不安があれば別途覚書等を作成しておくといった対応で良いでしょう。
養育費は一度取り決めた後でも、当初予測できなかった重要な事情の変化があれば、増額や減額が認められることがあります。しかし、どのような変化でも認められるわけではありません。裁判所は、以下のような基準で判断しています。
養育費を裁判所が変更できる法的根拠
養育費を裁判所が変更できるのは、民法766条3項および民法880条が法的根拠となります。
民法766条3項では、「必要があると認めるとき」に家庭裁判所は養育費の変更ができると定められており、民法880条では、「事情に変更を生じたとき」に家庭裁判所は扶養の内容の変更などができると定めています。
必要性について
養育費を取り決めた時点と、現在時点の状況を比較し、「金額を増やす必要性があるのか」について検討されます。
事情変更について一度、養育費の金額について当事者間で合意しているのであれば、一方の都合で増減を認めることができないのが原則ですが、合意の前提となっていた事情自体に変化があった場合には合意の変更が認められます。これが「事情変更の原則」と呼ばれるものです。
予測不可能性について
事情変更が認められるための条件として、「予測不可能性」という基準もあります。裁判所は、合意内容が算定表による額とかけ離れていたということだけでは、事情変更にはあたらないと考えています。
例えば、子どもの成長に伴う一般的な生活費の増加や、定年退職による収入減少など、養育費取り決め時に十分予測可能だった事情については、原則として事情変更とは認められません。一方で、突然のリストラや重篤な病気の発症、予期せぬ再婚と新たな扶養家族の発生などは、予測不可能な事情として認められる可能性が高くなります。
養育費の増額や減額等についての「事情変更」の判断ポイント
裁判所が事情変更の重要性を判断する際には、以下のポイントを総合的に考慮します。
1. 変化の程度と継続性
一時的な収入の増減ではなく、継続的かつ実質的な変化であること
2. 子どもの利益の観点
常に子どもの利益を最優先に考慮
3. 当事者双方の生活状況
支払い側と受け取り側、双方のバランスを総合的に判断
4. 従前の取り決めからの経過期間
短期間での変更請求は認められにくい傾向
養育費算定表の仕組み
2019年12月23日に最高裁司法研修所より発表された養育費の新算定表は、それまでの算定表を現代の経済状況に合わせて改定したものです。算定表は、義務者(支払う側)と権利者(受け取る側)の年収、子どもの人数と年齢(0~14歳/15歳以上)、就労形態を基に標準的な金額を示しています。
基礎収入の算定方法
養育費算定の基礎となる「基礎収入」は、総収入から税金、社会保険料、職業費、特別経費を控除した実際に生活費に充てられる収入です。給与所得者は源泉徴収票の「支払金額」、自営業者は確定申告書の「課税される所得金額」を基準に、必要な調整を行います。
子どもの年齢・人数による養育費の違い
養育費算定表では、子どもの年齢を「0~14歳」と「15歳以上」に区分しています。「子供が15歳になったこと」について、原則として養育費を増額すべき事情の変更に該当すると判断した裁判例(東京高等裁判所 令和3年3月5日判決)もあり、中学校卒業後は教育費等が増加することを反映しています。
子どもが複数いる場合、単純に人数分を掛けるのではなく、生活費指数を用いて算定されます。例えば、子ども2人の養育費は1人の場合の約1.5~1.7倍程度になることが一般的です。
出典:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
養育費の増額請求は、子どもの健全な成長を支えるために重要な手続きです。ここでは、裁判所が養育費の増額を認めやすい具体的なケースを解説します。
私立学校への進学(高校・大学)
家庭裁判所が養育費算定に利用する「養育費算定表」では、公立高校の授業料等が基準となっています。そのため、私立高校や大学への進学費用は通常考慮されません。ただし、義務者が進学を承諾または同意している場合や、離婚前から私立進学を前提とした教育を受けていた場合には、増額が認められる可能性が高くなります。
塾や習い事の費用増加
受験対策の塾、補習塾、個別指導塾の費用は、現代では一般的に必要不可欠です。離婚前から継続する習い事や、子どもの才能や適性に応じた習い事については、子どもの意思や才能に加え、両親の経済力から見て「相当」と認められれば増額理由となります。
病気・けがによる医療費の発生
子どもが病気やけがをして、多額の医療費が必要になった場合、予想外の出来事ですので、事情の変更が認められ、増額が認められる可能性が高いでしょう。
慢性疾患(アレルギー、喘息、アトピー等)の発症による継続的な治療費、交通事故等による突発的な医療費、発達障害等が判明し療育が必要となった場合など、予測不可能な医療費の発生は典型的な事情変更として認められます。
支払い側の収入増加
例えば、会社で昇進したり、転職したりして、養育費を支払う側の収入が大幅に増加したケースでは、養育費を取り決めたときには予測できなかった事情の変更があったと認められ、養育費の増額が認められる可能性が高いでしょう。
管理職への昇進による基本給の上昇、転職による年収アップ、事業収入の増加など、継続的な収入増加は増額の重要な理由となります。
受け取り側の収入減少(リストラ・病気等)
例えば、会社でリストラに遭ったり、病気やケガをして思うように働けなくなったりして、受け取る側の収入が減少したケースでは、養育費を取り決めたときには予測できなかった事情の変更があったと認められ、養育費の増額が認められる可能性が高いでしょう。
会社都合による失業、病気・けがによる就労困難、育児による就労制限など、本人の責めに帰さない理由による収入減少は、増額理由として認められやすくなります。
再婚による扶養状況の変化
支払い側が再婚し高収入を得て生活に余裕ができた場合や、受け取り側の再婚相手が低収入で新たな子どもが生まれて養育負担が増えた場合は、増額が認められることがあります。ただし、再婚の事実だけでは自動的に養育費は変更されず、新しい家族構成での経済状況が総合的に判断されます。
物価上昇や生活費の増加
養育費取り決め時から現在までに消費者物価指数が大幅に上昇している場合、同じ金額では従前と同等の生活水準を維持できないことを理由に増額が認められることがあります。教育費の高騰、住居費の上昇、光熱費・通信費の増加など、継続的な生活費の上昇も考慮要素となります。
子どもの年齢による生活費指数の変化
子どもの成長に伴い、必要な費用は増加します。特に中学生から高校生への進学時(15歳)は、食費の大幅な増加、被服費・交際費の増加、大学受験準備費用など、様々な費用が増加するため、養育費算定表でも区分が変わります。
特別な事情(発達障害等)による監護費用の増加
発達障害・学習障害による療育費用、不登校によるフリースクール費用、特別な才能(音楽、芸術、スポーツ)の専門教育費用、アレルギーによる特別な食材費など、子どもに特別な配慮が必要な事情が判明した場合も、増額理由として認められる可能性があります。
養育費の支払いは長期間にわたるため、支払い側の生活状況が大きく変化することもあります。ここでは、裁判所が養育費の減額を認めやすい具体的なケースについて解説します。
リストラや病気による収入減少
会社都合による解雇、事業縮小による人員整理、会社の倒産など、本人の責めに帰すことのできない理由による失業は、減額が認められる典型的なケースです。リストラ後に再就職できても、以前より収入が大幅に減少することは珍しくなく、特に中高年層では年収が3~4割減少することもあります。
また、がんや心臓病などの重篤な病気、精神疾患による休職、労働災害・交通事故による後遺障害など、病気やけがによる就労困難も重要な減額理由となります。医師の診断書、休職証明書、障害年金証書などの客観的な証拠の提出が必要です。
定年退職による収入の変化
定年退職は予測可能な事情として扱われることが多いですが、予定より早い退職、定年後再雇用での大幅な収入減、年金生活への移行などは減額理由となることがあります。ただし、退職金や企業年金を含めた総合的な経済力で判断され、子どもが成人に近い年齢の場合は一時金での清算も検討されます。
意図的でない収入減少の証明方法
減額が認められるためには、収入減少が「意図的でない」ことの証明が重要です。会社からの解雇通知、ハローワークの求職活動証明、医療機関の診断書などの客観的証拠を収集し、業界全体の不況による影響や年齢的な再就職の困難性を示す必要があります。また、住居費の削減や資産の処分など、生活費削減の努力も重要な要素となります。
支払い側の再婚と新たな扶養家族
典型的な事情変更にあたるのが、養育費の支払義務者(多くは父)が再婚し子をもうけ扶養家族が増えたというケースです。
再婚相手が専業主婦(主夫)や低収入の場合、再婚相手の連れ子と養子縁組をした場合、再婚後に新たな子どもが生まれた場合などは、新たな扶養義務が発生し、減額理由となります。ただし、新しい家族全体の収入と支出バランス、各子どもに対する扶養の必要性と緊急性が総合的に判断されます。
受け取り側の再婚と養子縁組の影響
子どもが再婚相手と養子縁組をした場合、養親が第一次的な扶養義務を負うことになり、実親の扶養義務は第二次的なものとなります。この場合、養育費の大幅減額または免除が認められる可能性が高くなります。養親の経済力が十分な場合は免除、不十分な場合は不足分についての養育費継続となることが一般的です。
養子縁組をしていない場合でも、再婚相手が事実上子どもの生活費を負担している場合は、その分を考慮して減額が認められることがありますが、減額幅は養子縁組の場合より小さくなります。
扶養義務者の優先順位
民法上、扶養義務には優先順位があります。未成年の子に対する親の扶養は第一次的扶養義務であり、前婚の子と再婚後の子はいずれも同等の扱いとなります。複数の扶養義務がある場合は、それぞれの経済力に応じて負担が調整されますが、単純に後から生まれた子を理由に前婚の子への養育費を大幅に減額することは認められません。
自己都合による転職・減収
キャリアアップを理由とした転職失敗、職場の人間関係を理由とした退職、独立・起業による一時的な収入減など、自らの意思で収入を減少させた場合は、養育費の減額は原則として認められません。また、趣味や副業のための勤務時間短縮、懲戒処分による減収も同様です。
ただし、医師の診断に基づく勤務時間の短縮、親の介護のための勤務形態変更など、健康上やむを得ない場合は例外的に考慮されることがあります。
面会交流を理由とした養育費の減額要求
「面会交流をさせてもらえないから養育費を減額したい」という主張は認められません。養育費は子どもの生活のために必要な費用であり、面会交流は親子の交流に関する問題で、これらは法的に別個の権利義務です。面会交流が実施されない場合は、面会交流調停や履行勧告など、別の手続きで解決を図るべきとされています。
借金返済を理由とした養育費の減額
ギャンブルや浪費による借金、養育費決定前からの借金、事業失敗による借金など、自己責任による借金は減額理由として認められにくいです。一方、病気の治療費、災害復旧、前婚の子どもの教育費など、不可抗力や子どものための借金は考慮される可能性があります。
なお、養育費の支払い義務は自己破産をしても免責されない「非免責債権」であるため、破産による養育費の免除はできません。裁判所は、借金返済を優先して子どもへの養育費を減額することには消極的であり、場合によっては債務整理を先に行うことを求められます。
養育費の変更が必要となった場合、適切な手続きを踏むことが重要です。ここでは、各段階での具体的な進め方と注意点を解説します。
協議のポイントと準備すべき資料
効果的な話し合いを行うためには、変更理由を明確にし、必要な資料を準備することが不可欠です。増額を求める場合は、子どもの支出増加を示す資料(学費納付書、医療費領収書等)や自身の収入減少を示す資料を用意します。減額を求める場合は、収入減少の証明書類や新たな扶養家族に関する資料が必要です。
協議は、子どもの利益を最優先に考え、感情的にならず事実に基づいた話し合いを心がけましょう。さらに、メールやLINEなど記録が残る連絡手段を活用することで、後日合意内容を証明する際に非常に有効です。
合意書・公正証書の作成方法
話し合いで合意に達した場合は、必ず書面に残します。合意書には、当事者と子どもの情報、変更前後の養育費額、変更開始時期、支払い方法等を明記し、双方が署名押印します。
より確実にするため、公正証書の作成をおすすめします。公正証書に強制執行認諾条項を付けることで、不払いが発生した際には、裁判手続きを経ることなく、直ちに強制執行ができるようになります。
公正証書を作成するには、公証役場へ相談するか、弁護士等へ相談するよいでしょう。
弁護士を介した養育費の交渉のメリット
当事者間での直接交渉が困難な場合や合意ができない場合、弁護士に依頼することで、合意がえられることも少なくありません。
弁護士に依頼することで、相手方と直接交渉する必要がなくなり、適正な養育費額の算定、法的根拠に基づいた主張などをしてくれるというメリットがあります。
弁護士費用は、着手金として20~40万円程度が相場となり、相談料は30分5000円程度と考えておけば良いでしょう。
養育費の増額や減額を求める場合の調停手続きについて、具体的な手続きの流れや費用、必要書類について解説します。
必要書類と申立費用
裁判所での手続きには、手数料(子どもの人数×1,200円)と郵便切手代(約1,000~2,000円程度、裁判所により異なります)が必要です。
必要書類は以下のとおりです。
・養育費(増額・減額)調停申立書
・申立人の収入を証明する資料(源泉徴収票、給与明細書等)
・子どもの戸籍謄本(3か月以内)
・従前の養育費を定めた書類(調停調書、公正証書等)
増額申立ての場合は、子どもの支出増加を示す資料を、減額申立ての場合は、収入減少や新たな扶養家族に関する資料を追加で提出します。
※その他の資料が必要になるケースもありますので、ご自身で調停を申し立てる場合には、管轄の裁判所に必要書類を確認すると良いでしょう。
管轄裁判所の確認方法
申立書や必要書類の提出先は、相手が居住(住民票所在地)している地域を管轄する家庭裁判所もしくは、離婚協議書等で管轄する裁判所について合意している場合は、その合意した家庭裁判所となります。
※ご自身で申立てをする場合は、事前に申立先の裁判所に相談することをお勧めします。
調停の流れと期間の目安
養育費の調停は、申し立ててから6か月程度で終了するケースが一般的です。第1回期日は申立てから約1か月後に指定され、その後は月1回程度のペースで進行します。
調停では、調停委員会(裁判官1名と調停委員2名以上)が、申立人・相手方それぞれ個別に事情を聴取し、養育費算定表に基づく試算を行いながら合意を目指します。1回の調停は約2時間程度で、通常3~4回の期日で結論に至ることが多いです。
出典:養育費に関する手続 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/youikuhi-tetsuzuki/index.html
審判への自動移行
調停で解決できないときは,裁判官が審判で判断します。調停不成立の場合、自動的に審判手続きに移行するため、改めて申立てをする必要はありません。
裁判官の判断基準
審判では、裁判官が以下の要素を総合的に考慮して判断します。
・事情変更の有無と程度(予測可能性、変化の重大性、継続性)
・当事者の経済状況(収入、資産、負債)
・子どもの必要性(年齢、教育費、特別な事情)
・養育費算定表の参照
裁判官は書面と証拠を中心に審理し、必要に応じて当事者への審問を行います。常に子どもの利益を最優先に考慮して判断します。
審判結果への対応
審判書が送達されてから2週間以内に不服申立て(即時抗告)をしない場合、審判は確定します。確定した審判は判決と同じ効力を持ち、強制執行が可能となります。
増額が認められた場合は審判で指定された時期から新しい金額での支払いが始まり、減額が認められた場合は新しい金額での支払いが継続されます。変更が認められなかった場合でも、新たな事情変更があれば再度申立てが可能ですが、短期間での再申立ては認められにくいため注意が必要です。
養育費の変更手続きを進める際には、適切な準備と戦略的な対応が成功の鍵となります。ここでは、手続きを円滑に進めるための重要なポイントを解説します。
収入証明書類(源泉徴収票・確定申告書等)
養育費の算定において最も重要な資料は収入証明書類です。給与所得者は直近の源泉徴収票と3か月分以上の給与明細書を、自営業者は過去3年分の確定申告書と決算書類を準備します。収入が減少した場合は、減少前後の資料を比較できるよう両方を準備しましょう。
失業や休職の場合は、離職票、雇用保険受給資格者証、休職証明書なども必要となります。相手方の収入については、把握している範囲で資料を収集し、不明な場合は調停・審判の過程で開示を求めることができます。
医療費・教育費の領収書
子どもの支出増加を主張する場合、具体的な金額を示す証拠が不可欠です。医療費については、病院の領収書、診療明細書、薬局の領収書を、教育費については、学費納付書、塾の月謝領収書、教材費の明細などを整理して提出します。
継続的な支出については、過去6か月~1年分の領収書をまとめ、一時的な支出については、その必要性を説明する資料(医師の意見書、学校からの通知等)も併せて準備します。
家計収支表の作成
特に減額請求の場合、現在の生活状況を客観的に示す家計収支表の作成が重要です。収入欄には給与、賞与、その他の収入を、支出欄には住居費、食費、光熱費、教育費、医療費などを詳細に記載します。
裁判所指定の書式を使用し、通帳や領収書と照合できるよう正確に作成することが大切です。支出が収入を上回る場合は、その理由と今後の見通しも説明できるよう準備しておきます。
養育費の一方的な減額・不払いのリスク
養育費の支払いが困難になっても、一方的に減額や支払い停止をすることは避けるべきです。正式な手続きを経ずに支払いを怠ると、未払い分は債務として累積し、遅延損害金も発生します。
調停調書や公正証書がある場合、相手方は直ちに強制執行を申し立てることができ、給与や預貯金の差押えを受ける可能性があります。経済状況が変化した場合は、速やかに減額調停を申し立てることが重要です。
強制執行との関係
養育費の減額調停を申し立てても、審判で減額が認められるまでは従前の金額を支払う義務が続きます。調停中であることを理由に支払いを停止すると、強制執行を受けるリスクがあります。
ただし、真にやむを得ない事情がある場合は、調停申立てと同時に、強制執行停止の申立てを検討することも可能です。この場合、相当な理由と担保の提供が必要となることが多いため、弁護士に相談することをお勧めします。
養育費変更はいつから適用される?
養育費の変更が認められるのは、原則として調停や審判の申立てを行った時点(請求の意思を明確に示したとき)から将来に向かってのみであり、過去に遡っての変更は困難です。そのため、事情変更があった場合はできるだけ速やかに変更請求を申し立てることが重要です。
ただし、例外的に事情変更が生じた時点まで遡って養育費の変更が認められるケースもあります。具体的な状況により判断が異なるため、自分のケースで遡及的な変更が認められるかどうかについては、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。
相手が養育費の話し合いに応じない場合
養育費の変更を求めても相手が無視する、感情的になって建設的な話し合いができないなどの場合は、早期に弁護士への相談を検討すべきです。弁護士が介入することで、相手も真剣に対応する可能性が高まります。
内容証明郵便による通知や、代理人としての交渉により、調停に至る前に解決できることも少なくありません。特に、養育費の増額を求める側は、子どもの生活に直結する問題であるため、迅速な対応が求められます。
複雑な事情で養育費の判断が難しい場合
再婚による家族構成の変化、複数の子どもがいる場合の養育費配分、自営業者の収入認定、海外居住など、標準的でない事情がある場合は、専門的な知識が必要となります。
また、相手方が資産を隠している疑いがある場合や、養育費以外の問題(面会交流、財産分与等)も絡んでいる場合は、総合的な戦略が必要となるため、早めに弁護士に相談することが賢明です。
適正な養育費の金額がわからない場合
養育費算定表は標準的な目安を示すものですが、個別の事情によっては算定表とは異なる金額が相当な場合があります。特に、私立学校の学費、特別な医療費、子どもの才能を伸ばすための費用などは、個別の検討が必要です。
弁護士は豊富な経験と最新の裁判例に基づいて、適正な養育費額を算定し、それを実現するための戦略を立てることができます。
養育費の問題について、詳しい弁護士にまずは相談してみることをお勧めします。
養育費の増額や減額が認められるのは、離婚時には予測できなかった重要な事情の変化があった場合です。子どもの進学や病気、親の収入変化など、具体的な事情に応じて適切な手続きを選択することが大切です。
まずは当事者間での話し合いを試みましょう。合意が難しい場合には、家庭裁判所の調停や審判を利用することで解決を図ります。手続きを進める際には、必要な証拠資料を準備し、場合によっては弁護士のサポートを受けることで、スムーズに進めることができます。
養育費の変更が認められる時期は、原則として調停を申し立てた時点からです。過去の未払い分については、たとえ減額が認められても免除されません。また、子どもが複数いる場合や、自営業者の収入認定、再婚・養子縁組などの特殊なケースでは、専門的な対応が必要となることもあります。どのようなケースでも最も重要なのは、子どもの利益を最優先に考え、適正な養育費の実現を目指すことです。
養育費の問題でお悩みの方は、決して一人で抱え込まず、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
私たちホライズン法律事務所は、「養育費の未払い」という社会課題に向き合い、問題の解決に積極的に取り組んでいます。これまで1200人以上のひとり親の皆さまに寄り添い、養育費回収を実現してきた豊富な実績があります。
相談料は無料で、万が一養育費を回収できなかった場合には費用もかかりません。また、スマホだけで手続きが完結するため、手間や心理的負担も少なく安心です。元配偶者との交渉もすべて弁護士が代行します。
養育費の増額や未払い回収などでお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。子どもの健やかな未来を守るため、私たちが全力でサポートいたします。
ホライズン法律事務所の未払い養育費に関する5つの特長
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